弊社の製品の原料となっている原石の種類、成分について説明します。成分分析につきましては、蛍光X線分析装置,X線回折装置により行いました。微細組織を偏光顕微鏡で観察しました。岩石の硬さ試験につきましては、ミツトヨ製 反発式ポータブル硬度計ハードマチック、HH-411を用いて測定しました。
１．採掘岩石
岩石層
泥質ホルンフェルス
蛇紋岩A
蛇紋岩B
採石場を丁度半分に分ける東西を結んだ線を挟み泥質ホルンフェルスと蛇紋岩の岩層があります。弊社ではこの泥質ホルンフェルスと蛇紋岩から砕石を製造します。
Ⅰ．泥質ホルンフェルス
泥質ホルンフェルス拡大図①
泥質ホルンフェルス拡大図②
図①では石英に富む縞と黒雲母に富む縞からなる組成縞が明瞭となっています。図②では変成鉱物組み合わせが、白雲母＋緑泥石＋黒雲母＋石英＋斜長石、副成分鉱物：不透明鉱物，燐灰石，電気石となっています。
Ⅱ．蛇紋岩A
蛇紋岩A①
蛇紋岩A②
蛇紋岩A③
蛇紋岩A④
残存鉱物として、かなりの量のかんらん石と斜方輝石が認められます（蛇紋岩化作用が弱い）。ハルツバージャイトを原岩としています。黒色緻密塊状で、斜方輝石に富む暗灰緑色のスポット(径数mm～1cm） が散在します。
Ⅲ．蛇紋岩B
蛇紋岩B①
蛇紋岩B②
蛇紋岩B③
蛇紋岩B④
蛇紋岩化作用を強く受け、原岩の鉱物はほとんど残存していません。暗緑色緻密塊状で、タイプＡよりはやや軟質です。また、やや細脈が多くなります。
２．成分分析
表１．岩石化学分析結果
| 泥質ホルンフェルス | 蛇紋岩A,B | |
| SiO2 | 63.6 | 38.1 |
| Al2O3 | 16.1 | 1.1 |
| Fe2O3 | 5.9 | 8.9 |
| TiO2 | 0.6 | 0.0 |
| MnO | 0.1 | 0.1 |
| CaO | 4.7 | 0.9 |
| MgO | 1.9 | 36.7 |
| K2O | 2.9 | 0.0 |
| Na2O | 2.9 | 0.0 |
| Cr2O3 | 0.0 | 0.5 |
| NaO | 0.0 | 0.0 |
| I gross | 0.8 | 14.1 |
| Total2 | 99.5 | 99.9 |
表２．岩石組成分析結果
| 岩石結晶相 | モース硬度 | 比重 | 泥質ホルンフェルス | 蛇紋岩A,B |
| 石英 | 7.0 | 2.7 | SiO2 | – |
| 長石 | 6.0 ~ 6.5 | 2.5 ~ 2.7 | NaCaAlSiO3-8O8 | – |
| 緑泥石 | 2.0 ~ 3.0 | 2.6 ~ 3.3 | (MgAl)6(Si4O10)(OH)8 | – |
| 黒雲母 | 2.5 ~ 3.0 | 2.8 ~ 3.0 | K(Mg,Fe)3(AlSi3O10) | – |
| 白雲母 | 2.5 ~ 3.0 | 2.8 ~ 3.0 | KAl2(AlSi3O10)(OH)2 | – |
| 蛇紋石 | 3.0 ~ 4.0 | 2.5 | – | Mg6(Si4O10(OH)8 |
偏光顕微鏡観察結果とＸ線回折結果、化学分析結果から、石英、長石、黒雲母、白雲母、緑泥石の結晶相とマトリックス相から構成されていることが分かります。
